殖やす 気になる投信用語①「基準価額」とは何?「基準価格」との違いは? (2016/12/08)

2017年から、個人型確定拠出年金の制度が拡充される。主婦や公務員のセカンドライフの強い見方となる制度だが、投資信託を使った運用をきちんと勉強する必要がある。

投資信託に興味はあっても、専門的な用語が多くてとっつきにくい…。そんな投資初心者のために、QUICKの資産運用研究所では新たに「気になる投信用語」の配信を始めた。投信選びの参考になりそうな言葉の意味やデータの使い方などをシリーズで分かりやすく解説していく。第1回は「基準価額」だ。

そもそも基準価額(きじゅんかがく)とは何か

投資信託(投信、ファンド)の値段のこと。投資家が投信を買ったり、換金したりするときに、この基準価額にもとづいて取引する。1日1回(休日を除く)算出される。

株式で考えたときの株価のようなものだ。

基準価額は、ある時点の投信の価値を、取引単位あたりで示したもので、計算式は以下の通りとなる。

基準価額(1口あたり)=純資産総額÷総口数

「純資産総額」「口数(くちすう)」など、色々と難しい言葉が出てきたので、詳しく説明していこう。

投信の純資産総額と口数

まず「純資産総額」は、ファンドに組み入れている株式や債券などをその時点の価格で評価し、株式の配当金や債券の利息などを加えて合計した「資産総額」から、信託報酬などの費用を引いたものだ。

ファンド全体の正味の資産額と考えることができる。

「口数」は投信を取引するときの最低単位で、その時点で投資家が持っている口数すべてを足し合わせたのが「総口数」と言う。

日本では一般的に1口1円(=1万口あたり1万円)でファンドの運用が始まり、基準価額は「1万口あたり○○円」の形で表示される。基準価額は基本的に運用がうまくいけば上がり、うまくいかなければ下がる。投資家に分配金を支払ったときなども基準価額は下落する。

計算してみよう!

簡単な例を使って基準価額を計算してみよう。

手数料や分配金の支払いなどはないものとする。あるファンドが運用を開始したときにAさんが4万円で4万口、Bさんが6万円で6万口買ったとする。この時点で純資産総額は10万円、総口数は10万口だ。その後に運用がうまくいき、1年でファンドの純資産総額が12万円に増えたとする。投資家はAさんとBさんの2人だけだ。

基準価額の計算式は、12万円÷10万口=1.2円。1口あたりの基準価額が1.2円だから、1万口あたりの基準価額は1万2000円になる。つまりAさんの投資した4万円は1年で4万8000円になり、Bさんの6万円は7万2000円になったということだ。このように基準価額が分かれば、自分が投資した資金がどれだけ増えたか減ったか把握しやすい。

自分が持っているファンドや、気になるファンドの基準価額を知りたいなら、新聞紙面などで確認できる。運用会社や販売会社、投資信託協会などもホームページに掲載している。

「基準価格」とは違うの?

基準価額はたまに「基準価格」と表記されることがある。日本経済新聞の朝刊で、基準価額の一覧が載っているページのタイトルは「オープン基準価格」だ。

ただ、基準価額は英語で「Net Asset Value」。価格を示す「Price」の単語は使われない。株価など刻一刻と変化する市場「価格」に対し、ファンドの値段は1日1回の評価額なので基準「価額」と区別されるようだ。投資信託協会などは「基準価額」を使っている。

基準価額の使い方は要注意!

基準価額を使って複数のファンドを単純比較するのは、あまり意味がない。

例えば、同じ株価指数に連動する投信AとBがあるとする。

投信Aの基準価額は3万円、Bは1万5000円。

どちらの投信を買うか迷ったときに、モノを買うのと同じように「値段」だけ見て比べると「安いから投信Bにしよう!」となりがちだ。

しかし、これには盲点がある。同じ株価指数に連動する投信でも、運用を始めたタイミングが違うと、いまの基準価額の水準に差が出るからだ。

投信は通常1万口あたり1万円で運用を始める。仮に投信Aが5年前に設定されたとすると、この5年で基準価額が1万円から3万円へと3倍になったことになる。一方、投信Bは10年前に設定された後、5年かけて基準価額が5000円に落ち込み、その後の5年で1万5000円まで持ち直したとする。

どちらの投信が「儲かった」だろうか。2つの投信を比較できるのは直近5年。この間に投信A、Bとも基準価額は3倍になった。つまり、どちらも5年前に仮に10万円分買っていれば30万円になった。運用実績は同じだ。それなら手数料の安さや換金のしやすさなど、ほかの部分を比べてどちらにするか選びたい。

 

▼同じ株価指数に連動する投信AとBを比較

※どちらも直近5年で3倍に

  10年前  5年前 現在
投信A 未設定 1万円 3万円
投信B 1万円 5000円 1万5000円

 

(QUICK資産運用研究所 西田玲子)

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