QUICK月次調査<外為> 消費増税やアベノミクス、衆院選で政権運営はどう変わる? (2017/10/16)

22日投開票の衆院選は自民・公明両党が過半数の議席を得て政権運営を継続できるか、もしくは新党躍進で政策の転換点となるかが焦点になっています。経済政策では消費増税やアベノミクスの評価が争点となっています。そこで与党・自民党の獲得議席数や選挙後の円相場の反応などについて、外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は10月10~12日、回答者数は76人です。

※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。

 

衆院選、自民「20議席未満の減少」が4割

「自民党・公明党」「希望の党・日本維新の会」「共産党・立憲民主党・社民党」の3極が争う構図となっている衆院選をめぐり、12日付の日本経済新聞朝刊などが序盤情勢について、与党の優勢と小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」の苦戦を報じています。

 外国為替市場の担当者に、自民党の議席数はどうなると考えますか、と聞いたところ、最も多かったのは「20議席未満の減少」で44%、次いで「20議席以上減少」が42%、「増える」が7%でした。安倍晋三首相が退陣に追い込まれる議席減少数については、最も多いのが「与党で過半数割れ」で49%、次いで「自民で50議席以上」が29%となっています。今回の衆院選で見込まれる議席数の減少程度では、安倍政権は継続するとの見方が多いようです。

市場関係者からは「衆院選では、与党は議席減も十分な多数を確保し、経済財政政策運営に変化はないとみられる。金融政策は安倍政権が続く中、現行の緩和路線が維持されるだろう」、「順調な経済動向、株価の上昇基調維持を踏まえると政策を特に変える必要性に乏しい。本人も年齢、健康等の理由を持ち出さない限り、続投に意欲ありと思われる」との声が聞かれました。経済政策などへの衆院選の影響は軽微との予想が大半のようです。

仮に安倍首相が退陣に追い込まれた場合の円相場の反応について聞いたところ、「円高・ドル安」が86%を占めました。また、安倍首相の後任として最も有力なのは「岸田文雄氏」で56%、次いで「石破茂氏」が23%でした。

 

FRB議長後任予想「イエレン再任」は34%に後退

9月の日銀金融政策決定会合では、新任の片岡剛士審議委員が現行政策の維持に反対票を投じ、2%の物価安定目標の達成には不十分だとして、追加緩和の必要性を訴えました。足元の市場環境などを踏まえ、10月30-31日開催の会合ではどうなると考えますか、と聞いたところ、最も多かったのは「片岡氏だけが追加緩和を求める構図が続く」で86%を占めました。次回会合で片岡氏が具体的な追加緩和策を提案するか、注目が集まります。

その日銀で、2018年4月に任期満了となる黒田東彦総裁の後任予想で最も多かったのは「黒田東彦・日銀総裁(再任)」で55%、次いで「中曽宏・日銀副総裁」が18%、「雨宮正佳・日銀理事」が11%でした。

一方、米国ではトランプ大統領が早ければ10月中にも、次期FRB議長人事を最終決断すると言われています。2018年2月に任期が切れるイエレン議長の後任として誰が最も有力と考えますか、と聞いたところ、最も多かったのは「ジャネット・イエレン現議長(再任)」で34%、前回調査まで3番手につけていた「ケビン・ウォーシュ元FRB理事」が23%で続きました。「その他」ではジェローム・パウエルFRB理事が回答数全体の約3割の票を集めました。「ゲーリー・コーン米国家経済会議(NEC)委員長」は5%と後退し、「ジョン・テイラー米スタンフォード大学教授」(5%)と並びました。

市場関係者からは「次期FRB議長に関しては、誰が就いてもイエレン現議長よりは『タカ派』的となる為、FRBは来年も緩やかな利上げ路線を継続するものと思われる」との見方から影響は軽微とする意見が大方のようです。

 

事業法人の前提為替レートは111円台後半

毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは10月末の平均値で1ドル=112円27銭と、9月調査(109円93銭)から大幅に円安へシフト。3カ月後の12月末には113円12銭、6カ月後の3月末には113円52銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、円が「政治/外交」、ドルとユーロが「金利/金融政策」でした。

ファンドの運用担当者に外貨建て資産の組入状況について聞いたところ、「ニュートラル」が前回の73%から54%に低下した一方、「オーバーウエート」が前回調査から20ポイント上昇の38%となりました。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=111円85銭と足元の水準並み。一方で対ユーロでは1ユーロ=123円25銭と現在の水準より大幅に円高に予想しているため、為替差益が生じる可能性がありそうです。

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