金融コラム 盛り上がる米国大統領選挙、関連アノマリーで見通す今年の金融市場 (2016/03/08)

2016年は米国大統領選挙の年。現在、11月の選挙に向けて候補者指名争いが繰り広げられています。予備選と党員集会が集中するヤマ場の「スーパーチューズデー」の結果が出揃い、ほぼ事前予想の通り、共和党のトランプ氏と民主党のクリントン氏の一騎討ちとなる可能性が高まってきました。

米国の経済動向と政治動向は、日本株のみならず、世界の金融市場を大きく左右する大事なイベントですので、大統領選挙のアノマリーを検討しておきましょう。

スーパーチューズデーの結果と今後の日程

スーパーチューズデーでは、共和党ではドナルド・トランプ氏が7州で勝利を収めテッド・クルーズ氏の3州を圧倒しました。民主党では、ヒラリー・クリントン氏が7州で勝利、バーニー・サンダース氏の4州を押さえました。今後、6月までアメリカ各州で州選挙が行われます。そして、7月に民主党はフィラデルフィアで、共和党はクリーブランドで党大会を開いて、正式な候補者が指名されます。大統領選挙日は11月8日です。党大会後、大統領選挙日までは米国は大統領選一色になります。

大統領選挙の年はドルが強い

さて「大統領選挙の年とその翌年はドルが強い」「中間選挙の年とその翌年はドルが弱い」というアノマリーがあります。1981年以降で検証すると、大統領選挙は8回あり、円高3回、円安5回でした。選挙の翌年は円高2回、円安6回。一方、中間選挙は9回あり、円高6回、円安3回。翌年は円高7回、円安2回でした。確かに「大統領選挙の年とその翌年」のドル高円安、「中間選挙の年とその翌年」のドル安円高のアノマリーはあるようです。

特に、前回の大統領選の2012年は、11年末の歴史的な円高の70円台から12年末には86円台まで円は反転して売られた印象深い年でしたので、市場関係者の間では、その記憶が強いのだと思います。

米大統領選挙の前年は株高

株価にも「米大統領選の前年は株高」というアノマリーがあります。現職の大統領が支持率対策として、景気対策などで株高を演出するからだと言われています。グラフは、1984年以降の大統領選挙の4年のサイクルを年ごとに分け、S&P500種株価指数の週次の動きを平均化したものです。

大統領選前年の株価は、中間選挙の年や大統領選挙の年と比較すると明らかに高くなっており、アノマリー通りの動きになっています。大統領選翌年の株価も堅調に推移しています。

一方、大統領選挙の年は、リーマンショックのあった2008年が含まれていることもあり、大きく上昇するような動きは見えません。

大統領が任期満了で交代の年は株が下げる

今回のオバマ大統領がそうですが、2期の任期を終えると3期目を勤めることは出来ません。この大統領の任期が終了し、大統領が替わらなくてはならない年だけに絞って比較してみると、面白いアノマリーが浮かんできます。

1928年以降の、任期満了で大統領が替わらねばならない年のS&P500種株価指数はマイナス4.0%のパフォーマンスとの調査があります。すべての大統領選挙の年の平均がプラス7.0%、大統領選挙の年以外の年の平均が7.5%ですから、明らかに大統領が任期終了の年のパフォーマンスは悪くなっています。(出典:MarketWatch

株価対策をする必要がなくなり、支持率をあげるための政策を打つ必要がなくなるからなのでしょうか?まさに「アノマリー」という感じがします。

民主党政権の方が株は上がる

また、77年以降の大統領在任中のS&P500種株価指数の騰落率を見ると、民主党政権下では平均プラス11.9%、共和党政権下では平均プラス4.3%と、民主党政権の方が株価は堅調だとする調査もあります。(出典:モーニングスター

直近8回の大統領選挙の年の株価推移を見ると、民主党が勝利する年は、リーマンショックのあった2008年という異常事態を除いてみれば、安定的な株価推移になっていると言えそうです。共和党勝利の年はITバブルが崩れた2000年を除くと、年後半に堅調となる展開が多いです。

過去のアノマリーから見ると、民主党のクリントン氏が次期大統領になった場合の方が、中長期的に株価に好材料と言えるかもしれません。

編集:QUICK Money World

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