アジア特Q便 インドネシア、来年は5%成長か 米利上げ後の通貨安定に努力  (2016/01/14)

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB OSK証券インドネシアのRizki Fajar(リズキ・ファジャラ)氏がレポートします。※本記事は2015年12月28日にQUICK端末で配信した記事です。

インドネシア中央銀行、政策金利を7.5%に据え置き決定

インドネシア中央銀行(BI)は17日に開いた理事会で、BIレート(政策金利)を7.5%に据え置くと決定した。貸出ファシリティー金利、翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)もそれぞれ8.0%、5.5%に据え置いた。年末にはインフレ率が3%を下回る水準まで鈍化し、経常赤字は2015年の国内総生産(GDP)の2%程度までの改善が見込まれる。マクロ経済の安定を背景に、BIは金融緩和の余地があると考えている。

中銀は16年に5%台の成長を予想 ルピア安定に引き続き努力

BIは今後、インフレ抑制、経済成長の促進、構造改革の加速に関して政府との連携を強める見通しだ。マクロ経済システムおよび金融システムの安定性を維持しつつ、経済成長を支えていくとしている。
 また、BIは2015年の経済成長率を4.8%と予想。2016年には5.2~5.6%に伸びると見込んでいる。この予想は、政府のインフラ事業が進展すること、経済安定を強化する一連の政策の実施を受けて民間投資が拡大し、堅調な消費と政府支出が増大することを前提としている。世界経済の動向については、BIは外部リスク、特に中国の経済成長の鈍化や米金利引き上げ後の国際金融市場の不安定化などに対し、引き続き警戒していく方針だ。

米国の緩やかな成長は、消費と住宅セクターの改善によって支えられているものの、製造部門の収益低迷と低調な輸出がマイナス要因になっていることをBIは認めている。一方で、中国は投資主導から消費主導の成長に向かう一方で経済全体が減速した。
 米国の金利引き上げの後、インドネシアの通貨ルピアはやや売り圧力にさらされたが、BIはマクロ経済の安定性と持続可能な経済成長を維持するため、自国通貨ルピアの基本的な価値を踏まえて、ルピアを安定させる努力を引き続き強化していくと述べた。

金融システムは安定 来年後半の政策金利引き下げを予想

金融システムは、信用リスク、流動性リスクに耐えるというより、むしろそれを上手く吸収していくような弾力性のある銀行制度によって支えられ、弾力的で堅固と考えられている。10月末時点の銀行の自己資本比率(CAR)は20.8%と、高水準を維持。同時に不良債権(NPL)比率はグロスで2.7%、ネットで1.4%と比較的安定した状態を保っている。一方で10月の預貸率の伸びは前年比9.0%だったのに対し、信用増加率は前月の11.1%から低下し、前年比10.4%にとどまった。
 2016年の見通しとしては、経済活動の拡大とBIが採用する緩やかなマクロ・プルーデンス政策のスタンスに沿い、信用増加率は12~14%までやや改善することが予想される。
 今後、インフレ率は安価な燃料価格により一段と低下するだろう。さらに経常赤字は管理可能な水準に維持される見通しで、BIに金融緩和の余地を与えるだろう。しかし短期的にBIは、米国の政策金利引き上げ後の国際金融市場とユーロ圏、日本、中国、米国の経済動向の影響を注視していく構えだ。
 そのため、BIは政策変更について、慎重な姿勢を維持すると思われる。弊社の見通しでは、政策金利は、2016年初めは7.5%に据え置かれるが、来年後半には0.5%引き下げられて7.0%となるとみている。【翻訳・編集:NNA】

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