QUICK月次調査<株式> 2016年の株最高値予想2万1191円 「中国経済の悪化」などリスク要因に(1月調査) (2016/01/12)

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の1月調査を、1月12日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者162人が回答、調査機関は1月5~7日)。

2015年は年間で9%高を記録した日経平均株価ですが、年明け以降は大不振に陥り、大発会から1月8日にかけて5営業日連続の下落となりました。これは日経平均の算出を始めた1950年9月以来で初めてのことです。そのくらい、株式市場の地合いは悪くなっています。

株価上昇の期待値が低下 年間最高値予想は2万1191円

2016年の株式相場を予想してもらったところ、日経平均株価は証券会社や機関投資家を含むマーケット参加者全体の平均値が最高値で2万1191円、最安値が1万7167円となりました。2015年末(1万9033円)に比べると11%高となりますが、15年に付けた最高値(終値ベース、2万868円)をわずかに上回る水準に過ぎず、2016年相場に対する期待値は必ずしも高いとは言えない状況です。

マーケット参加者が慎重になるのもある意味、仕方のないことかもしれません。景気失速懸念が一段と広がっている中国では株式相場が大荒れの展開で、今年から導入された相場急変時に取引を止める制度(サーキットブレーカー制度)が初日から発動。米国の利上げによる金融市場混乱への警戒感や北朝鮮の水爆実験成功のニュースなど、マーケット参加者の不安を煽る材料が相次ぎました。

実際、2016年のリスク要因について最も重要なものは何か聞いたところ、「中国経済の悪化」が35%で最多となりました。次に「マネーフローの変調」が16%、「地政学リスク」が12%、「為替レートの大変動」が11%で続きました。

しかし、懸念材料は外部要因だけではありません。たとえば為替。今回、2016年央のドル/円の見通しを聞いたところ、平均で1ドル=120円30銭と予想されています。

円安による企業業績の底上げ期待が薄らぐ中、2016年度の上場企業(金融除く)の経常利益見通しも「1桁の増益」という回答が62%を占めました。また、次いで「横ばい圏」が17%で続き、総じて企業業績の伸びに対する期待感も薄れています。

アベノミクス相場がスタートして4年目。米国も景気拡大局面に入って6年が経過しており、そろそろ景気拡大にも一服感が出てきそうな時期だけに、株式市場も不安定な状況が続きそうです。

日経平均の短期見通しは大幅に下方シフト

1~6カ月間の日経平均の見通しは、相変わらず目先の相場に左右される状況が続いています。12月調査の1カ月後予想は、11月調査の1万9184円から大幅に上伸し、2万48円になりました。しかし、1月調査では大幅に下方修正され、1カ月後の予想は1万8479円まで低下しました。また、6カ月後の予想も1万9797円にとどまり、2万円回復は当面、先になるとの見方が優勢になっています。

海外株式市場に関心、外国人投資家の売りを警戒

今後、6カ月程度を想定した場合、株価を動かす要因で注目されるものとしては、「景気・企業業績」が大きく後退し、注目度は12月調査の57%から43%に急落。一方、「海外株式・債券市場」が、12月調査の18%から31%に大幅上昇しました。しかも、「海外株式・債券市場」が株価にどう影響を及ぼすかを示す指数は43.2で、プラス・マイナスの分岐点である50を割り込み、株価にはマイナスのインパクトとみなされています。企業業績に対する先行き警戒感に加え、中国株をはじめとした海外株式市場の動向に対する懸念の高まりが見てとれます。

また、今後6カ月程度を想定して最も注目している投資主体としては、個人投資家が12月調査の12%から6%へと低下する一方、外国人投資家は12月調査の82%から87%へと上昇しました。外国人投資家の株価へのインパクトを示す指数は50.2と12月調査の63.8から大幅に低下しました。現状は、ほぼ中立ですが、海外本国の株式相場が下落すれば、投資余力の低下に伴って外国人投資家の売りがかさみ、日本株に対するマイナスのインパクトが強まる可能性もあります。

国内投資家、株安局面は絶好の買い場?

国内の資産運用担当者66人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて、国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「かなりオーバーウエート」が12月調査の5%から6%に上昇したものの、「ややオーバーウエート」は12月調査の35%から29%に低下。「ニュートラル」が12月調査の45%から51%に上昇しました。

一方、当面のスタンスについては、「現状を維持する」が12月調査の74%から71%に、「やや引き下げる」が12月調査の7%から2%に低下しました。半面、「かなり引き上げる」が12月調査の0%から2%に、「やや引き上げる」が12月調査の17%から22%に、それぞれ上昇しています。長期的なスタンスで投資する資産運用担当者からすれば、この株価下落局面を、長い目で見て仕込み場と考えているふしが感じられます。

なお、現在の相場から見て、各セクターについてどのようなスタンスで臨むのかという点について、オーバーウエートからアンダーウエートを差し引いた数字を見ると、「通信」が11%で、11月調査の0%、12月調査の4%から徐々にオーバーウエート比率が高まりました。「素材」は9%で、11月調査のマイナス11%、12月調査のマイナス4%というアンダーウエート圏から、オーバーウエートに転じています。

一方、「金融」は、11月調査が0%、12月調査が2%とほぼニュートラルでしたが、1月調査ではマイナス11%になり、アンダーウエート比率が一気に高まりました。11月調査、12月調査とオーバーウエート比率が2ケタ台だった「電機・精密」はアンダーウエートに転じています。

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