アジア特Q便 中国の紫光、台湾・力成の株式25%取得へ 米マイクロンへの出資も模索 (2015/11/18)

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。この記事は11月16日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。

合併、引き抜き…株式取得で半導体産業チェーン構築を目指す

中国の紫光集団が正式に台湾のメモリー・メーカーに資本参加した。10月30日、同社はメモリ・パッケージング・テストの力成科技(パワーテック)の第三者割当増資で、発行済み株式の25%を1株当たり75台湾ドルで取得すると発表。同時に、紫光集団傘下の展訊通信と鋭迪科微電子が台湾のICデザイントップの聯発科技(メディアテック)と合併する可能性があるとも表明し、世界の半導体業界に大きな衝撃を与えた。

紫光は既に、台湾のDRAMメーカーの華亜科技(イノテラ・メモリーズ)から高啓全・前会長を、全世界執行副総裁(グローバル・バイス・プレジデント)として引き抜き、メモリー分野の布陣を整えていた。こうした動きに続く今回の行動は、台湾メモリー関連上場企業に対する初の資本参加でもある。

紫光集団の趙偉国会長は自ら台湾を訪れ、この投資案件を発表した。これらの一連の動きは、「チップからクラウドコンピューティングまで」という完璧な産業チェーンを構築するためだ。力成科技はメモリーの後工程であるパッケージング・テストのメーカーである。紫光集団は将来、中国でNAND型フラッシュメモリーに積極的に進出しようとしており、それに必要な安定したパッケージング・テストの生産能力を確保したことになる。力成科技は1997年創業で、現在はパッケージング・テストで世界第5位に位置している。アメリカのメモリー・メーカーであるキングストンテクノロジーが大株主で、約3.83%の株式を保有し、取締役4ポストを持っている。また、台湾東芝半導体も1ポストを持っている。将来、紫光集団の資本参加に合わせて、増資後の株主構成と取締役ポストは変動があると見られている。紫光集団はここに高啓全氏を法人代表として派遣してくると予測されている。

「う回作戦」…虎視眈々と買収をねらう

消息筋によると、紫光はDRAM大手のアメリカのマイクロン・テクノロジーに買収を申し込んで拒否された後、「う回作戦」を採用した。まず、38億米ドルでハードディスク大手のアメリカのウェスタン・デジタルの株式15%を買収。さらに、このウェスタン・デジタルを通じ、フラッシュメモリー大手のアメリカのサンディスクを買収し、フラッシュメモリー分野に衝撃を与えた。こうして着々と、「チップからクラウドコンピューティングまで」に関連する技術と生産能力を構築している。紫光集団はまた、傘下のチップメーカーである同方国芯電子による増資で800億人民元を調達し、半導体業務に投じることを計画している。うち、37億9000万人民元を力成科技の株式25%買収に充てるほか、600億人民元をメモリー工場建物の建設に、残りの162億人民元を半導体関連企業の買収に、それぞれ充てる予定だ。

米マイクロンは紫光との資本提携に積極的

消息筋によると、紫光集団は工場建設に当たって「合資」方式で進めることを考えているという。現在、合資の対象として交渉を進めている企業には、すでに遼寧省大連市での工場建設を発表しているアメリカのインテルのほか、技術を持つ韓国のSKハイニックス、マイクロン、日本の東芝(6502)がある。

このほか、紫光集団はまた、マイクロンとの提携の戦略を変更し、ウェスタン・デジタルの方式を採用し、マイクロンに資本参加する可能性も模索している。

紫光集団が発表した800億人民元の増資で、引受先として親会社の清華控股に所属する西蔵紫光国芯、西蔵紫光東岳通信、西蔵紫光神采、西蔵紫光樹人教育、国研実業、同方国芯などの9社が含まれていたことから、マイクロンがこれに特に注目。双方は積極的に提携交渉を進めており、これが双方の提携成立を促進すると予測されている。

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