QUICK月次調査<株式> 不正会計の東芝、「株価低迷続く」との回答が過半数(8月調査) (2015/08/10)

7月に発覚した東芝の不正会計事件は、氷山の一角なのか、原因の本質はどこにあったのか、そして東芝は復活できるのか。株式市場関係者やメディアの間で様々な意見が飛び交っています。

国内最大級の市場心理調査であるQUICK月次調査。8月4日~6日に株式市場を対象として実施した調査(証券会社および機関投資家の株式担当者165名が回答)では、東芝の不正会計問題に関して特別調査を行いました。

また毎月実施している相場予想の定点調査では、日経平均株価の1か月後、3か月後、6か月後の予想値が、前月調査分に比べてほぼ横ばいという状況です。6か月後である2016年1月末の日経平均の市場予想は2万1312円。調査期間の日経平均は、2万448円~2万817円の範囲で推移しました。

東芝不正会計は氷山の一角か…「他社にも存在」との見方が多数

東芝の不正会計問題では、歴代社長をはじめ、16人の取締役中、8人が引責辞任するという、前代未聞の大事件に発展してきました。当然、株式市場にも影響が及んでいます。今後、マーケット関係者の注目点としては、こうした不正会計事件が「東芝」という企業固有の問題なのか、それとも市場全体に何らかの形で波及するのか、ということでしょう。

東芝に限定された問題かどうかという質問に対して、「東芝固有の問題」と答えた人の回答比はわずか16%。一方で「他社にも存在するが数は限定的」の回答比が57%を占めました。また「少なからず存在する」も25%となり、程度の差こそあれ、東芝と同じことをしている企業があるという認識は多数となっています。

次に、不正会計を生んだ土壌はどこにあったのか。今回の不正会計問題について、責任が重いと思われるものを3つ選んでもらったところ、「社長経験者」が最も多い96%。次いで「財務部門」の64%、「監査法人」の60%、という結果が出ました。トップに責任があるとする見方が多いようです。こうした不正会計の防止策としては、「不正会計に対する罰則の強化」、「内部統制の強化」が有効とする声が多く聞かれました。

市場全体には「影響しない」が、東芝は「財務弱体化、株価低迷続く」

また、マーケット関係者には気になるところですが、不正会計問題が株式市場全体に及ぼす影響については、「個別企業の問題として市場全体には影響しない」が全体の74%を占めました。

一方、東芝の株価については、「財務が弱体化し株価低迷が長期化する」という答えが53%と過半数。「経営刷新が進み株価も上昇に向かう」が36%でした。

株価予想は伸び悩む、運用担当者も慎重姿勢

定点調査の相場予想を見ると、年末にかけては強気ですが、目先はやや上値が重くなりそうです。1か月後の株価見通しについては、単純平均で2万574円となり、前回の7月調査分に比べて若干の上方修正に留まりました。また、3か月後(10月末)の株価見通しは2万685円と、7月調査分に比べてやや下落しています。

今後、6か月程度を想定して、株価変動要因で注目されているものとしては、「景気・企業業績」が、7月調査分の43%から58%に大幅上昇しました。相場への影響度を加味した注目度指数をみると、「為替動向」が株価上昇要因として注目されています。

一方、「政治・外交」がやや下落要因として見られています。安倍政権の支持率低下が懸念されていることを数字が物語っています。過去のケースを見ても、時の政権の支持率低下は、株安につながっているからです。

資産運用担当者68名を対象に、現在運用しているファンドの株式組み入れスタンスを聞いたところ、「やや引き上げる」「かなり引き上げる」の合計値が低下(20%→14%)する一方、「やや引き下げる」「かなり引き下げる」の合計が上昇(4%→10%)しています。秋口にかけて、プロの見方はやや慎重といったところのようです。

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