QUICK月次調査<株式> 株価は半年後に2万1000円台へ…株主総会の注目点は?(6月調査) (2015/06/08)

半年後には2万1000円に到達予想…市場心理は強気持続

国内最大級の市場心理調査であるQUICK月次調査。6月2日~4日に株式市場を対象に実施した調査(証券会社および機関投資家の株式担当者179人が回答)によると、日経平均株価の今後の見通しは上方修正されました。

1か月後にあたる6月末の日経平均株価は2万432円。6か月後は2万1026円が想定されています。調査期間直前の6月1日にかけて日経平均株価が27年ぶりに12連騰したため、強気の見方が強まっていると考えられます。

株高持続に必要なのは、何と言っても企業の成長。今回の調査では、6月後半以降に3月決算企業の株主総会がピークを迎えることから、コーポレートガバナンス・コード(企業統治原則)の注目点などについても聞いています。

注目は「クジラ」より「外国人」

まず、株式市場の現状を振り返っておきましょう。日本株について、一部では「過熱感が高まっている」との見方もあります。確かに時価総額は、バブルピークの89年末と同じ600兆円に達しましたが、同じ期間で見れば、NY株式市場の時価総額は7倍にもなっています。12連騰はややスピードが速かったかも知れませんが、株価や時価総額の水準からすれば、海外の株式市場に比べて出遅れ感のある日本の株式市場に、外国人投資家の買いが集まってくる可能性があります。

株式市場が今後6か月間で最も注目している株価変動要因は、「景気・企業業績」が相変わらず高位にありますが、前月に比べると、注目度はやや低下しました。他の要因も、前月に比べるとやや注目度が低下していますが、そのなかで「為替動向」が大きく伸びています。

同じく今後6か月を想定し、最も注目している投資主体としては、「外国人」が大きく伸びる一方、「企業年金・公的資金」は後退しました。株式市場の押し上げ主体として、「外国人」の関心が高まる一方、これまで話題となってきた「クジラ」、つまり巨額の公的資金への関心が薄れてきているようです。

年金や投資信託など資産運用担当者68人を対象に、運用中のファンドについて国内株式は現在、通常の基準とされている組み入れ比率に対してどのようなウエート(比重)になっているのかを聞いたところ、株価の先高感を反映して、「ややオーバーウエート」(基準よりも多い)の回答比が、前月に比べて大きく伸びています(28%→37%)。これに対して「ニュートラル」と答えた回答比は、8ポイントの低下(52%→44%)となりました。当面のスタンスとしては、「やや引き上げる」が低下(17%→6%)する一方、「現状を維持する」が上昇(77%→85%)しています。

株主還元策、株主価値向上策への関心が高まる

運用担当者の間に様子見姿勢が強まっている背景には、今後の企業の成長や株主還元方針を見極めたいという考えがあります。

6月1日から「コーポレートガバナンス・コード」が適用されました。コーポレートガバナンス・コードは、いわば株主と企業が円滑に対話を進めるための規範です。議決権など株主の権利を適切に行使できるように環境を整備したり、経営戦略や財務情報などを適切に開示したりするためのルールを設けるなどの規範が示されています。

コーポレートガバナンス・コードが適用されるなか、今回の株主総会で最も注目されるポイントは何かを聞いたところ、最も注目されているのは「株主還元策」で、全体の34%を占めました。ちなみに2014年度の株主総還元額(配当と自社株買いの金額を合計)は13.4兆円。この額が順調に増加していくか、というのがポイントです。

次に注目されるのが「ROE水準」で32%。ROEとは「株主資本利益率」のことで、この数字が高い企業は、株主の資本を効率良く使って、高い利益を上げていることになります。ROEは、一般的には10%を超えれば優良と言われていますが、欧米企業の平均値は20%を超えています。今後、日本企業も欧米並みとまでは言いませんが、徐々にROEを高位に保持しようという動きが出てくるものと思われます。いずれにしても、日本の企業がいよいよ株主価値の向上に向けて動き出す可能性が高まっています。

また米ISSが、経営トップの取締役選任議案について、ROE基準を導入するという動きがあります。ISSとはインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズという米国の民間企業で、国内外1600の機関投資家を顧客に抱えている議決権行使助言会社です。そのISSが、5年平均のROEが5%未満の企業については、経営トップの取締役選任議案に反対票を投じるようアドバイスをしています。これに対する反応としては、「一律適用には無理がある」という回答が46%を占めました。ただ、その一方で「歓迎する」という回答も、32%を占めています。

なお、今回のコーポレートガバナンス・コードの導入が、投資家に対する企業の対話姿勢をより促すことになるかという問いについては、全体の73%が「多少促す」と回答。「大いに促す」が19%を占め、いずれにしても対話促進に向けて前向きに受け止めている状況です。

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