QUICK月次調査<外為> 2015年の市場予想、1ドル=126円台までの円安を見込む(1月調査) (2015/01/19)

米利上げは「今年6月」が有力、年末にかけて1ドル=126円台予想

外為市場の注目点は、引き続き、米国がいつから利上げに転じるのか、ということでしょう。金利差が開くと為替が動きます。より金利の低い通貨が売られる一方、より金利の高い通貨が買われます。日本は当面、量的金融緩和政策を継続せざるを得ず、一方で米国は、すでに量的金融緩和政策を終え、次の段階として利上げのタイミングを図っています。米国が利上げに転じれば、日米金利差が広がるため、ドル高になる可能性が高まります。

今回、金融機関、運用会社および事業法人の外為担当者213名(回答者は83名)を対象に行われた調査(2015年1月13~15日に実施)によると、米FRBが利上げに踏み切る時期としては、2015年6月という回答が全体の40%を占めました。ついで同年9月が18%、同年10月が13%となっています。FRBが利上げに踏み切るとしたら、米国景気がいよいよ本格回復軌道に乗っていることが最低条件ですから、今後、発表される米国の経済指標には要注目です。

これに対して、日銀の金融政策は当面、緩和継続と見る向きが大半です。「緩和縮小」という回答は0%。「年内追加緩和なし」という回答が最も多く、全体の41%を占めていますが、「2015年10~12月に追加緩和」という回答が23%を占めました。仮に追加緩和が行われなかったとしても、米国の利上げムードが濃厚なので、それを加味すれば、ドル高へと触れる可能性が高いと見るべきでしょう。

では、為替レートは今後、どのように動くのでしょうか。2015年の為替相場の見通しについても、アンケート調査を実施しています。

ドル円に関しては、最高値が単純平均で113円15銭。最安値が126円54銭となりました。最高値を付ける時期は2015年2月で、最安値が同年12月。円ドルは年末にかけて、円安基調を描くという見方が大勢を占めています。

また、円ユーロについては、最高値が129円83銭で、最安値が146円50銭。時期的には最高値をつける時期の見方が割れており、2月と12月に付けるという回答数が同数。最安値も12月と見る向きが多く、それに近い数字で1月最安値という回答も多く見られました。

目先のドル円予想は円高方向にシフト

年末にかけて円安予想が大勢を占めていますが、目先の為替相場については、やや円高方向にシフトしています。

ドル円相場予想を単純平均(金融機関の外為業務担当者)したもので見ると、昨年12月時点では、今月末119円72銭、3カ月後120円51銭、6カ月後122円06銭でしたが、1月調査分ではそれぞれ117円76銭、119円78銭、121円43銭となりました。年初、円ドルが120円台から116円台まで円高が進んだことも、市場参加者の円高ムードを加速させたようです。

変動要因について、市場参加者(金融機関・外為業務担当者)の注目度を通貨別にみると、円の変動要因は「金利/金融政策」が上昇する一方、「当局の姿勢(介入含む)」が低下しました。国内長期金利は0.2%台まで低下しており、金利低下余地がほぼゼロに近づくなか、さらなる金融緩和政策を打ち出してくるのかどうかに注目が集まっています。また、116円台まで円高が進んだとはいえ、過去の流れから見ればまだ円安トレンドは続いており、当局の介入(円売り介入)が行われる可能性は極めて低いため、当局の姿勢に対する注目度が後退したと考えられます。

ドルに対する注目度では、「金利/金融政策」が高まる一方、「景気動向」が低下。米国の景気回復トレンドが明確になるなか、市場参加者は景気云々以上に、今後、FRBがどこで利上げに踏み切るのかという点に、関心が集まっています。

ユーロは「金利/金融政策」への注目度が上昇

また、ユーロについては、「金利/金融政策」への注目度が高まっています。ユーロ経済圏は景気低迷が長引いており、物価はデフレ気味で推移。こうしたなか、ECB(欧州中央銀行)が近々、量的金融緩和に踏み切るとの見方が、市場参加者の間で優勢になっています。1月15日、スイス国立銀行が1ユーロ=1.20フランに設定していたスイスフランの対ユーロでの上限を撤廃すると発表したのも、ECBによる量的金融緩和がほぼ確実に行われると判断しての行動でした。

ちなみに、スイス国立銀行のユーロ上限撤廃によって、スイスフランは対ユーロで急騰。あまりのサプライズに、スイスフランのポジションを持っていたFX投資家が大損を被っただけでなく、FX会社やその他の金融機関などでも、かなりの損失を出したところがありました。

なお、向こう6カ月間、各通貨が対円でどのように推移するかという問いについて、上昇(=円安)の回答比から下落(=円高)の回答比を差し引いた変動予想DIの数字は、米ドルDIのプラス(=円安方向の予想が優勢)幅が縮小する一方、ユーロDIはマイナス(=円高方向の予想が優勢)幅が拡大。件のスイスフランDIについては、前月までのプラスから、今月はマイナスに転じていました。

通貨別の組入比率はユーロのアンダーウエートが目立つ

外貨建て資産の組入比率について当面、どのようなスタンスで臨むかという問いに対しては、前月と同じ結果となり、「オーバーウエート」とする回答比が43%、「ニュートラル」という回答比が57%を占めました。また為替ヘッジについては、「現在のヘッジ比率を維持」が73%を占めており、大きな動きは見られませんでした。

なお通貨別で見た当面のスタンスは、オーバーウエートからアンダーウエートを引いたDIで見ると、米ドルDIはオーバーウエートが高く、ユーロDIはアンダーウエートが高いという結果になりました。この点からも、ユーロに対する売り圧力が当面続くと考えられます。

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