QUICK月次調査<外為> 市場予想はさらに円安シフト 原油安で緩和期待高まる?(12月調査) (2014/12/15)

QUICKは12月15日、「QUICK月次調査(為替)」の12月調査(12月8~11日実施、金融機関や事業法人の為替担当者90名が回答)を発表しました。今回は、金融政策を左右しかねない原油相場の先行きについて、為替市場関係者を対象にアンケートを取りました。内容を見る限り、原油価格の下落はまだ続く可能性がありそうです。

原油安で更なる緩和を強いられる日銀

原油価格の急落に歯止めがかかりません。指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)の価格は、12月12日時点で1バレル=60ドルを割り込み、57ドル台まで下落しました。

QUICKが「月次調査(外為)」において、今後の原油価格の動向について市場参加者の見通しを調べたところ、「今後6カ月程度の原油先物相場(WTI)」について、「一段安」が12%、「じり安」が41%となり、全体の53%が続落予想となりました。上昇を見込む向き(じり高、急反発)は合計で12%にとどまっています。

原油価格の下落で気になるのが、今後の物価の動きです。10月の消費者物価指数は、総合で2.9%となっていますが、消費増税分に該当する2%を単純に差し引くと0.9%となり、物価目標である2%には遠く及びません。

物価上昇に一服感が強まっている理由は、物価の押し上げ効果となる円安が進む一方で、原油価格が急落しているためです。原油価格続落の見通しを受け、「日銀金融政策の次の一手をどう予想しますか」という問い対しては、72%が追加緩和と答えました。

4~6月以降が金融政策の焦点…日米の緩和の差が拡大?

日銀の追加緩和の時期としては2015年4~6月という答えが32%と最も高く、緩和縮小に関しては65%が2017年以降と答えていることから、金融緩和は当分、続くと見るのが妥当のようです。

一方、FRBの利上げのタイミングとしては、2015年4~6月が30%、同年7~9月が35%を占めました。このまま米国の景気が堅調に推移すれば、金利差拡大から米ドルへのシフトが進む公算大です。

なお、ECBによる国債購入を含む量的金融緩和のタイミングについては、2015年1月導入が38%で最多。同年2月導入が11%で、同年3月導入が34%を占めており、いずれにしても年明け早々に、ECBによる量的金融緩和が実施されるという見通しが多数となりました。

対円ではドル高の一方、ユーロは横ばい続く見通し

毎月実施の為替相場予想は、12月末のドル/円で、単純平均が1ドル=119円72銭(金融機関の外為業務担当者)となり、前回調査の115円07銭に比べて円安方向にシフトしました。

▼ドル円相場予想(金融機関の外為業務担当者)

ちなみに、3カ月後の2015年2月末時点では120円51銭、6カ月後の2015年5月末時点では122円06銭という予想になっています。米国が利上げのタイミングを模索する一方、日本は当面、金融緩和が続く見通しであり、金利差拡大の可能性がドル高予想につながっています。

一方、ユーロ/円はほぼ横ばいです。2014年12月末の単純平均予想値は1ユーロ=146円72銭ですが、3カ月後の2015年2月末時点は146円53銭、6カ月後の2015年5月末時点が146円26銭で、大きな動きは見られません。前述したように、年明け早々にもECBは量的金融緩和を導入する公算が高いだけに、ユーロと円は、いずれにもポジションを傾けにくい状況が続くことになりそうです。

米ドルに強気、資源国通貨に大幅弱気

向こう6カ月間で、各通貨の対円のレートが上昇するか、それとも下落するかを、変動予想DIで見てみましょう。変動予想DIは、「上昇する」という回答比から「下落する」という回答比を差し引いて求めるものです。

12月は米ドルが61となり、若干プラス幅が微増しただけに止まりましたが、水準的には高く、今後半年にわたって米ドル高になる可能性が高いことを示唆しています。

一方、ユーロはややマイナス幅が縮小したものの、マイナス39であり、当面、弱含みでの推移が予想されています。

また、マイナス幅が大きく拡大したのがロシアルーブルで、11月のマイナス52からマイナス73へと急落。南アフリカランドも、11月のマイナス20からマイナス30に急落しました。いずれも資源国通貨であり、昨今の原油価格や金価格といった資源価格の下落が、為替レートの見通しにも影響を及ぼしています。

外貨建て資産の組入比率に関する当面のスタンスは、「オーバーウエート」が43%となり、前月に比べて14ポイント低下する一方、「ニュートラル」が14ポイント上昇して57%になりました。

通貨別に組入比率の当面のスタンスを聞き、DI(プラスがオーバーウエート優勢)としたところ米ドルは前月と同じプラス71。半面、ユーロはマイナス43、新興国通貨もマイナス50と、それぞれ前月からマイナス幅が拡大しました。資源国通貨はプラスの8と前月のゼロから上昇。一部で底値と見た買いが入ったのでしょうか。いずれにしても、金融政策と資源価格が通貨のポートフォリオに影響を及ぼしているのが見て取れる結果となりました。

ヘッジの動きに変化も…

為替ヘッジに関しては、「ヘッジ比率を上げる」が前月比横ばいであるのに対し、「ヘッジ比率を下げる」が前月の17%から23%に上昇。外貨建て資産は円安が進むと、円建ての評価額が上昇しますが、逆に円高になると為替差損が発生します。「ヘッジ比率を下げる」との回答が増えていることから、為替のプロが円安を見越していることが伺われます。

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